みなさん『糖質制限』聞いたことありますよね。
糖質は太りやすく、悪いイメージがついている人も多いと思います。しかし糖質は私たちにとって欠かせない栄養素です。特に選手にとって糖質不足はコンディションやパフォーマンスに影響を及ぼします。
今日は糖質の役割についてお話ししたいと思います。
《糖質》
みなさんはいつも自分が食べている食事で糖質の量は足りていると思いますか?私がサポートしている選手のほとんどが最初は必要な糖質の量を食べられていませんでした。体を大きくしたい、体重を増やしたいという相談をよく聞きますが、糖質の摂取量が不足していてはなかなか体重を増やすことは難しいです。
アスリートがパフォーマンスを維持するためには糖質の補給は欠かせません。
脂肪は大量に体内に貯蓄できますが、グリコーゲンとして蓄えられる糖質には貯蓄できる限界があります。そのため運動する前には十分に糖質を蓄え、運動後には糖質を補給し回復しなければなりません。糖質の量は少なすぎても回復できない、多すぎても体脂肪の増加につながります。
疲れがとれないなど疲労回復がきちんとできない理由は糖質不足が原因かもしれません。
《たんぱく質をたくさん食べていれば大丈夫?》
今よくメディアで注目され取り上げられているのが『糖質制限』『高たんぱく質食』などといった言葉です。体を作るのにはたんぱく質が大事!だからたんぱく質は意識的に多めに食べています。という選手は多いです。たんぱく質が体を作るという考えは間違っていませんがたんぱく質も一度に摂取できる量が決まっておりたくさん食べれば食べるだけいいというわけではありません。(たんぱく質についてはまたお話します)
今の選手はたんぱく質よりも糖質を意識的に摂ってほしいです。たんぱく質をたくさん食べても糖質が不足していると筋肉を分解してエネルギーに作り変えてしまいます。糖質をしっかり補えてこそたんぱく質は有効に体を作る材料として働きます。
《糖質の種類》
炭水化物と糖質の違いは知っていますか?同じでしょ?て思う人もいるかもしれませんが違います。構造上はこのようなイメージです。
炭水化物=糖質+食物繊維
栄養学ではエネルギー源になる糖質とエネルギー源にならない食物繊維を分けて表現し、一つの食品に両方含まれている場合は炭水化物と表現することが多いです。糖質は単糖類、二糖類、多糖類に分類されます。
単糖類はこれ以上分解されない状態で糖質の最小単位です。二糖類は単糖類が2つ結合しているもので、多糖類は、デンプンやグリコーゲンなど多数の単糖類が結合によって連なったものを指します。グリコーゲンは人間の体で作り、蓄えることのできるデンプンです。
グリコーゲンは肝臓と筋肉に貯蔵され、その貯蔵量は肝臓で 100g、筋肉で250g と貯蔵される限界があります。過剰に摂取した糖質がグリコーゲンとして貯蔵されない場合は中性脂肪に変換されて貯蔵されます。先ほど糖質の量は少なすぎても回復できない、多すぎても体脂肪の増加につながると話したのはこのような仕組みのためです。運動時は筋肉中ではエネルギー源としてブドウ糖がさかんに使われています。糖が不足すると筋肉中のグリコーゲンが利用され、それでも足りないと血糖値が使われます。
つまり運動強度が高くなると筋肉は急激にグリコーゲンを消費します。
パフォーマンスを維持するためには筋肉中のグリコーゲンの回復がとても重要になります!
次はグリコーゲンの材料となる糖質を自分が1日にどのタイミングでどのくらい必要かについてお話していこうと思います。